CBAMの川下製品への対象拡大(2028年):欧州委員会、理事会、欧州議会の3案と日本への影響

CBAMの川下製品への対象拡大は2028年1月開始を目指す提案です。

このページの内容

CBAMの川下製品への対象拡大とは、EU炭素国境調整措置(CBAM。JETROや欧州委員会の和訳では「炭素国境調整メカニズム」)の対象を、2028年1月1日から、くぎ、ばね、線製品、家電製品など鉄鋼やアルミニウムを使った完成品にまで広げる提案です(法律ではありません)。

欧州委員会は2025年12月17日の提案COM(2025)989で約180の川下製品を示しました。EU理事会は2026年6月12日の一般的アプローチで、欧州委員会の表を維持したうえで8桁のCNコード202件を追加しており、報道される「約200」という数字はこの追加分に由来します。

欧州議会は2026年9月15日、第一読会の交渉方針を賛成464、反対50、棄権159で採択し、欧州委員会の対象範囲を支持したうえで、機械、輸送機器の部品、変圧器、温水器などを加えたと報じられています。2026年11月4日時点で、いずれの案も法律ではありません。

報道によると、2026年10月20日の第1回三者協議(トリローグ)は全体合意に至らず、アルミニウム製品のデミニミス基準、金属スクラップ、オンラインプラットフォーム、世界共通のデフォルト値の4つの論点が技術レベルの検討に回されました。第2回は2026年11月30日に開かれると報じられており、3機関は2026年中の合意を目指しています。

この提案は、日本企業にとっても影響の大きいものです。JETROは2026年9月18日、電力中央研究所の分析として、追加対象の品目がEUの対日輸入額の5.0%を占め、現在のCBAM対象製品の2.9%を上回ると紹介し、特に影響が懸念される品目に自動車用変速機とその部品を挙げています。本ページでは、3機関の案の違い、追加される製品、迂回防止とスクラップの扱い、今後の日程、業界の反応、日本の輸出者と輸入者が今から準備できることを順に説明します。

キャプション:川下製品への対象拡大をめぐる3機関の案の比較です。品目数の単位はそれぞれ異なり、どの法案の本文にも合計数は書かれていません。


CBAMの川下製品への対象拡大とは何ですか

CBAMの川下製品への対象拡大は、規則(EU)2023/956を改正し、鉄鋼とアルミニウムを前駆体として製造された完成品にまでCBAMの対象を広げる提案です。

現在のCBAMの対象は、「炭素国境調整メカニズム(CBAM)を規定する、2023年5月10日の欧州議会および理事会規則(EU)2023/956」付属書Iに掲げる鉄鋼、セメント、アルミニウム、肥料、電力、水素の6部門で、その大半は素材や半製品です。熱延コイルの輸入者にはCBAMの義務がありますが、同じコイルを使った電動機や洗濯機の輸入者には義務がありません。こうした完成品は付属書Iの製品リストに含まれていないためです。CBAMの基本的な仕組みはEU CBAMの概要で説明しています。

もっとも、付属書Iには現在でも一部の川下製品が含まれています。ねじ、ボルト、ナット(CNコード 7318)、鉄鋼製の構造物(7308)、その他の鉄鋼製品(7326)、その他のアルミニウム製品(7616)は、すでにCBAMの対象製品です。

この提案(手続番号2025/0419(COD))は、こうした空白を埋めることを目的としています。欧州委員会はCOM(2025)989とあわせて公表した説明の中で、川下製品が対象外のままでは、EU域外の生産者が加工を一段階進めて出荷するだけでCBAMの炭素コストを回避でき、規則の目的であるカーボンリーケージ(炭素漏出)の防止が損なわれると述べています。JETROも2026年9月18日の記事で、同じ懸念を拡大の背景として紹介しています。

規則(EU)2025/2083(CBAM簡素化規則)を含むCBAM規則の立法経緯の中でこの提案がどう位置づけられるかは、CBAM簡素化規則と規則(EU)2023/956の解説(英語)で説明しています。今回の提案の対象は、鉄鋼とアルミニウムのバリューチェーンに限られます。有機化学品と樹脂については第30条第2項に基づいて別途評価が行われており、欧州委員会は対象範囲に関する次の報告を2027年に予定しています(CBAMと樹脂、英語)。

川下製品への対象拡大のスケジュール:提案から2028年の適用開始まで

次の表は、欧州委員会の当初提案から2028年の適用開始目標までの確認済みの節目と、それぞれの法的な位置づけをまとめたものです。

日付 節目 機関 2026年11月4日時点の状況
2025年12月17日 欧州委員会がCOM(2025)989を公表、約180の川下製品を提案 欧州委員会 公表済み。通常立法手続が始まる
2026年4月10日 ENVIの報告者Mohammed Chahim氏が報告書案(PE786.835)を提出 欧州議会(ENVI) 案のみ。7月6日の委員会採決で置き換え
2026年6月12日 理事会が一般的アプローチを採択:欧州委員会の表に202のCNコードを追加 EU理事会(ECOFIN) 政治的合意。法律ではない
2026年7月6日 ENVI委員会が方針を採択(賛成56、反対11、棄権12)、約457品目と報道 欧州議会(ENVI) 委員会の方針。9月15日の本会議で確認
2026年9月15日 本会議が第一読会の交渉方針を採択(賛成464、反対50、棄権159) 欧州議会(本会議) 採択済み。欧州議会の三者協議での交渉権限
2026年10月20日 第1回三者協議:各方針を提示、全体合意なし。アルミニウムのデミニミス基準、金属スクラップ、オンラインプラットフォーム、世界共通のデフォルト値を技術レベルの検討へ 欧州議会と理事会 開催済み。報道ベースで、機関の公式発表なし
2026年11月30日(報道) 第2回三者協議 欧州議会と理事会 報道のみ
2026年末まで(目標) 欧州委員会、理事会、欧州議会の三者協議による合意 3機関 目標。最終合意はまだない
2028年1月1日 川下製品への対象拡大の適用開始(提案) 該当なし 目標日。三者協議の結果次第

9月15日の本会議採決により、ENVI委員会の方針が欧州議会全体の第一読会の交渉方針となり、欧州議会側の交渉の立場が固まりました。CBAM証書の販売開始や申告期限など、本格実施期間ですでに確定している日付はCBAMのスケジュールにまとめています。

CBAMの川下製品への対象拡大をめぐる3機関の案の比較です(2026年10月26日時点、いずれも提案で法律ではありません)。欧州委員会:2025年12月17日の提案COM(2025)989、プレスリリースによると約180製品。EU理事会:2026年6月12日の一般的アプローチ(文書10423/26)、欧州委員会の表を維持し202のCNコードを追加。欧州議会:2026年9月15日の第一読会の交渉方針、賛成464、反対50、棄権159で採択、Mayer Brownの推計で約457製品類型(欧州議会の公表数なし)。どの法案の本文にも合計数はなく、数え方の単位も異なります。第1回三者協議は2026年10月20日に開かれ全体合意なし、第2回は2026年11月30日と報道、適用開始は2028年1月1日の提案です。現行法ですでに対象:ねじとボルト(CNコード 7318)、鉄鋼製の構造物(7308)、その他の鉄鋼製品(7326)、その他のアルミニウム製品(7616)。
出典:法律:規則(EU)2023/956付属書I。提案:COM(2025)989、理事会文書10423/26、欧州議会P10_TA(2026)0276、Mayer Brown(2026年10月7日)。三者協議の日程:報道。 · 2026年10月26日時点
このインフォグラフィックのテキスト版

各機関の案

- 文書:欧州委員会 提案COM(2025)989; EU理事会 一般的アプローチ(文書10423/26); 欧州議会 第一読会の交渉方針(賛成464、反対50、棄権159)

- 日付:欧州委員会 2025年12月17日; EU理事会 2026年6月12日; 欧州議会 2026年9月15日

- 品目数:欧州委員会 約180製品; EU理事会 欧州委員会の表にCNコード202件を追加; 欧州議会 約457製品類型

- 数の出典:欧州委員会 欧州委員会のプレスリリース; EU理事会 理事会の文書; 欧州議会 Mayer Brownの推計(欧州議会の公表数なし)

- 位置づけ:欧州委員会 提案; EU理事会 提案; 欧州議会 提案

品目数は足し合わせないでください:どの法案の本文にも合計数は書かれておらず、数え方の単位(製品、CNコード、製品類型)も異なります。

現在の状況

- 2026年10月20日:第1回三者協議:全体合意なし。報道ベース。4つの論点が技術レベルの検討へ

- 2026年11月30日:第2回三者協議。報道のみ。公式には未確認

- 2028年1月1日:適用開始(提案)。合意が成立し、採択された場合のみ

すでにCBAMの対象の製品(現行法)

付属書Iは次の完成品をすでに対象にしています(CNコードの4桁の項)

- 7318:ねじとボルト

- 7308:鉄鋼製の構造物とその部分

- 7326:その他の鉄鋼製品

- 7616:その他のアルミニウム製品

欧州委員会、理事会、欧州議会の3案の比較

3機関は2028年から鉄鋼とアルミニウムの川下製品にCBAMを広げる点では一致していますが、拡大の規模については大きく異なる立場で三者協議に臨んでいます。

後から出された案ほど製品リストが広く、迂回防止の規定も厳しくなっています。各案の内容は次のとおりです。

欧州委員会提案:COM(2025)989

2025年12月17日に提出された欧州委員会の当初提案は、プレスリリースによると、180の製品を対象に加えるものです。付属書には107項目の「複合金属製品」の表と、7つの新しい鉄鋼の項目があります(cbamguide.comの集計)。これにより、現在はCBAMの義務がない輸入者も申告者の範囲に入ることになります。

追加される製品の中心は、鉄鋼やアルミニウムを多く含む中間財で、卑金属製の取付具、ディーゼルエンジン、ポンプ、クレーン、電動機、自動車部品などです。洗濯機や台所用品などの家庭用品も一部含まれ、付属書には金属製家具とプレハブ建築物のほか、医療機器の3項目も載っています。JETROは2025年12月19日のビジネス短信で、追加品目の約94%が産業用のサプライチェーン製品、約6%が洗濯機などの家庭用品だと伝えています。

理事会の一般的アプローチ(2026年6月12日)

EU理事会は2026年6月12日、経済・財務相理事会(ECOFIN)で一般的アプローチを採択しました(文書10423/26)。本文は欧州委員会の製品表をそのまま引き継ぎ、付属書Iに組み込む8桁のCNコード202件を注記で追加し、医療機器の3項目を削除しています(cbamguide.comによる文書の集計)。追加されたコードには、家庭用冷蔵庫、ヒートポンプ、ボイラー、タービン、追加の電動機と変圧器、自動車のブレーキとクラッチ、トレーラーの部品が含まれます。

文書には合計数が書かれていません。当サイトの集計では、理事会のリストは項目とコードを合わせて300件をやや超えます。EUROFERと法律事務所Mayer Brownが挙げた「約200」は、理事会のリスト全体ではなく、理事会が追加したコードの数に当たります。

理事会は、製造工程で出る鉄鋼とアルミニウムの使用前スクラップ(プレコンシューマースクラップ)を前駆体として数えるという欧州委員会の案を維持し、第27a条の「重大かつ予見できない事態」に対する一時的な適用除外も残しています。一般的アプローチは理事会の交渉上の立場であり、法律ではありません。三者協議での交渉権限を定めるものですが、それ自体に法的効力はありません。

欧州議会の交渉方針(2026年9月15日採択)

欧州議会の本会議は2026年9月15日、第一読会の交渉方針を賛成464、反対50、棄権159で採択しました。環境・気候・食品安全委員会(ENVI)が2026年7月6日に採択した方針(56対11、棄権12)の大筋を確認したものです。

交渉方針は欧州委員会の対象範囲を支持し、業界紙の報道によると、機械、輸送機器の部品、変圧器、変換器、移動式住宅、温水器などを加えています。ENVIの文案ですでに挙がっていた太陽光パネル、台所用品、ヒートポンプと洗濯機の部品も含まれ、3機関の案に共通するファスナー、線、ばね、家庭用品に上乗せされる形です。

このほか、交渉方針には2つの特徴があります。第一に、欧州議会は、価格の急変時に欧州委員会が製品を一時的にCBAMの対象から外せるという安全弁の案を退け、代わりに対象製品のCBAM収入を影響を受ける部門へ一時的に振り向ける仕組みを支持しました。第二に、2027年から2029年までの一時的な脱炭素化基金を拡充する案を支持しました。この基金はEUの生産者を支援するもので、域外の輸出者向けではありません。

3機関の案を並べると、次の表のとおりです。

機関 採択日 品目数とその出典 決定の種類 法的な位置づけ
欧州委員会 2025年12月17日 180製品(欧州委員会のプレスリリース)。付属書は「複合金属製品」の表107項目と新しい鉄鋼の7項目(cbamguide.comの集計) 立法提案(COM(2025)989) 交渉の出発点
EU理事会 2026年6月12日 本文に合計なし。欧州委員会の表に8桁のCNコード202件を追加し、医療機器3項目を削除、合計300件をやや超える(cbamguide.comの集計)。「約200」はMayer Brownの2026年10月7日の解説 一般的アプローチ(ECOFIN) 理事会の交渉権限
欧州議会 2026年9月15日 当サイトが確認できた範囲で欧州議会の公表数なし。Mayer Brownの解説の本文では457製品類型、表では約453。cbamguide.comは未集計 第一読会の交渉方針(464対50、棄権159) 欧州議会の三者協議の権限

どの法案の本文にも合計数は書かれていません。欧州委員会の180はプレスリリースの数字で、理事会の文書には数がなく、欧州議会が公表した数も当サイトは確認できていません。数え方の単位(製品、付属書の項目、8桁のCNコード)も異なるため、数字を直接比べることはできません。

米国通商代表部(USTR)の2026年10月8日の告示はさらに別の数え方をしており、「over a hundred」「over 300」「approximately 400」(当サイト仮訳:100を超える、300を超える、約400)としています(USTRの告示に関する記事、英語)。3つの案はいずれも提案で、法律ではありません。

CBAMの対象拡大で追加される川下製品は何ですか

検討されている製品は、産業用の中間財と、消費者向けまたは家庭用の完成品の2つに大きく分かれ、どちらも鉄鋼かアルミニウムを多く使って作られています。

欧州委員会、理事会、ENVIの各案で名前の挙がった製品の分類は、次の7つです。最終的なリストは三者協議の結果で決まります。

  • ファスナーと固定具:くぎ(7317)、ばね(7320)、線製品。ねじ、ボルト、ナット(7318)はすでに付属書Iの対象で、拡大の対象ではありません
  • 構造用・産業用の金属製品:矢板、鉄道用資材、クレーン、ロボット、ポンプ、エンジン
  • 車両と機械の部品:車体部品、圧縮点火式エンジンの部品、農業機械、(欧州議会案では)機械、輸送機器の部品、変圧器
  • 容器と自動車部品:ガス容器、変速機(ギアボックス)、車輪、自動車用ラジエーター
  • 建物と家具:金属製家具、家具用の取付具、プレハブ建築物
  • 家庭用品と消費財:台所用品、家電製品、(欧州議会案のみ)太陽光パネル、温水器、電動機の材料、洗濯機とヒートポンプの部品
  • 医療機器:欧州委員会案の3項目。理事会の一般的アプローチで削除

3機関の案ごとにどの製品が含まれるかのCNコード別の比較は、CBAMの川下製品リスト(英語)にあります。同ページによると、自動車用の変速機(CNコード 8708 40)は、欧州委員会の提案と理事会の一般的アプローチの両方に含まれています。

現在のCBAMは、鉄鋼とアルミニウムの未加工品と半製品をすでに細かく対象にしています。第72類、第73類、第76類ですでに対象となっている範囲は、CBAM 鉄鋼のCNコードとCBAM アルミニウムのCNコードで確認できます。拡大が採択されると、対象は同じ類のより川下の製品や隣接する分類に広がりますが、鉄鋼とアルミニウムの部門ですでに定められている排出量の算定方法は変わりません。


日本の輸出への影響:すでに対象の川下製品と追加候補

日本からEUへのCBAM対象製品の約24%(2025年、金額ベース)は、すでに川下寄りの付属書I製品(7308、7318、7326、7616)で、拡大が採択されれば、自動車部品や機械など日本の主力輸出品にも対象が広がります。

EUが2025年に日本から輸入したCBAM対象製品(付属書Iのコード)は14億4,820万ユーロで、そのうち次の4つの項が合計3億4,373万ユーロ、3万6,709トンを占めます(ユーロスタット(Eurostat)Comext DS-045409、2025年(2026年10月12日抽出))。

CNコード(4桁) 製品 2023年の金額(数量) 2025年の金額(数量) EU域外輸入に占める日本の割合(2025年、金額/数量) 日本の順位(2025年、金額ベース)
7318 ねじ、ボルト、ナット類 1億8,684万ユーロ(2万1,953トン) 1億7,643万ユーロ(2万1,127トン) 2.68%/1.15% 10位
7326 その他の鉄鋼製品 1億1,413万ユーロ(1万4,453トン) 1億4,382万ユーロ(1万4,720トン) 1.97%/0.78% 8位
7616 その他のアルミニウム製品 3,635万ユーロ(1,299トン) 2,141万ユーロ(711トン) 0.78%/0.30% 14位
7308 鉄鋼製の構造物とその部分 1,783万ユーロ(9,373トン) 208万ユーロ(150トン) 0.03%/0.01% 38位

これらの製品にはすでに2026年1月1日からCBAMが適用されており、拡大の行方とは関係なく、EUの輸入者は2026暦年の輸入分を2027年9月30日までに申告し、CBAM証書を納付する必要があります(規則(EU)2023/956第6条第1項、第22条第1項)。

次の表は、日本のデフォルト値を使った場合のコストを2026年11月4日に当サイトの計算ツールで計算したものです(2026年第3四半期の公式価格82.32ユーロ、実施規則(EU)2025/2621付属書I(実施規則(EU)2026/1740により差し替え)の日本の表、実施規則(EU)2025/2620のColumn Bのベンチマーク)。

製品(CNコード) 日本のデフォルト値(tCO2e/t) ベンチマーク(Column B) 2026年の証書数(製品1トン当たり) 2026年のコスト(製品1トン当たり) 2028年のコスト(製品1トン当たり)
ボルト・ねじ(7318 15 42) 2.800 1.364 1.7501 144.07ユーロ 198.59ユーロ
その他の鉄鋼製品(7326 90 98) 2.130 1.491 0.889275 73.21ユーロ 117.48ユーロ
鉄鋼製の構造物(7308 90 98) 2.950 1.491 1.791275 147.46ユーロ 205.23ユーロ
その他のアルミニウム製品(7616 99 90) 1.730 0.148 1.7587 144.78ユーロ 174.17ユーロ

2028年の列は、同じデフォルト値と価格(82.32ユーロで一定)に、マークアップ30%とCBAM係数90%を当てはめた数値です。実施規則(EU)2025/2620の前文第10項は2027年1月1日以降の輸入品についてベンチマークの更新を予定しているため、2028年の数値は目安です。

ボルト・ねじの2026年の証書数1.7501は、経済産業省の「ねじ・ボルト等におけるEU-CBAM用算定ガイドライン 第3版」(2026年3月)の数値(1.750)と一致します。貴社の製品とトン数での推計はCBAM計算ツールで確認できます。規則(EU)2025/2621および2025/2620の公式デフォルト値とベンチマークに基づく推計です。拘束力のある数値は貴社のCBAM申告書に記載される数値です。

追加候補の品目は日本の対EU輸出のどのくらいを占めますか

JETROが2026年9月18日に紹介した電力中央研究所の分析では、追加対象の品目はEUの対日輸入額の5.0%を占め、現在のCBAM対象品目の2.9%を上回ります。

JETROは同じ記事で、日本の対EU輸出は自動車、産業機械、精密機器など鉄鋼とアルミニウムを多く使う製品の割合が高いと説明し、特に影響が懸念される追加品目として自動車用変速機とその部品を挙げています。新しく対象となる品目の日本からの輸入額は、当サイトのEurostatデータ(現在の付属書Iのコードのみ)には含まれていないため、ここではJETROの紹介した数字だけを示します。

拡大が採択されると、日本の完成品メーカーや部品メーカーは、今は対象外の製品についても、EUの買い手から体化排出量のデータを求められるようになります。JETROは2026年9月18日の別の記事で、日系企業のEU子会社自身が認可CBAM申告者となり、報告義務を負う場合もあると指摘しています。日本の輸出者自身にCBAMの法的な義務はなく、義務を負うのはEUの輸入者またはその間接的通関代理人です。

軽くて単価の高い日本製品と50トン基準

現在の50トン基準は質量で判定されるため、トン当たりの単価が高い日本の加工品では、かなりの輸入額が基準の範囲内に収まります。

2025年のEurostatの数字から計算すると、日本からのその他のアルミニウム製品(7616)の平均単価は1トン当たり約3万ユーロ、ボルト・ねじ(7318)は約8,351ユーロです。この平均単価なら、アルミニウム製品の50トンは約150万ユーロに相当します。欧州議会の交渉方針は、アルミニウム製品について付属書VIIに5トンの基準を加える案を含んでおり(提案)、この平均単価では約15万ユーロに当たります。

現行法では、電力と水素を除き、輸入者ごとに暦年の累積正味重量が50トン以下であれば義務が免除されます(第2a条、付属書VII第1項)。免除は税関申告で申告する必要があります。詳しくはCBAMのデミニミス基準(英語)をご覧ください。

日本の炭素価格は川下製品のコストを下げますか

2026年11月4日時点で、日本の炭素価格はEU CBAMの第9条で認められておらず、控除の実施規則も案の段階です。

第三国で支払われた炭素価格の控除(第9条)に関する実施規則案は2026年5月に公表されましたが、2026年11月4日時点で採択されていません。

日本の排出量取引制度(GX-ETS)は2026年度(2026年4月から2027年3月)に義務化されましたが、鉄鋼とセメントについてはGX-ETSの排出枠がベンチマーク方式で無償割当されており、欧州委員会の日本語ガイダンスは「排出量取引制度の場合、無償割当はリベートとみなされる」と説明しています。川下製品が対象になっても、この状況は変わりません。論点の整理はCBAMの炭素価格控除にあります。

キャプション:日本のCBAM国別カードです。2025年のEUの日本からのCBAM対象製品の輸入額、主な製品、熱延鋼板の2026年の計算例を示しています。


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迂回防止措置:3案の比較

3つの案はいずれも、現在施行されている規定より迂回防止を強化していますが、スクラップの扱いと執行の仕組みで違いがあります。

文言の違いが最もはっきりしている措置を、次の表で比べます。

措置 欧州委員会(COM(2025)989) 理事会の一般的アプローチ 欧州議会の交渉方針
新しい迂回行為 低いデフォルト値の恩恵を受けるためにサプライチェーンを人為的に調整する行為を、第27条第2項に追加 維持。ただし、低いデフォルト値の恩恵を受けることだけを目的に最後の実質的な生産工程の国を変更する行為に限定 立法手続データベース(Legislative Observatory)の要約に記載なし
リスクの高い取引のデフォルト値 リスクのある輸入について、実排出量の使用に追加の条件を設定(実施規則と委任規則で定める) この表では比較せず 不正行為のリスクが高い国と製品の組み合わせに、国別のデフォルト値をあらかじめ体系的に適用(Legislative Observatoryの要約)
オンライン販売と通信販売 扱わない 扱わない 通信販売に対する50トン基準の監視と執行の新規定。そうした方法で販売されたCBAM対象製品の金額と量を報告(Legislative Observatoryの要約)
使用前スクラップ CBAMの前駆体として提案(新しい付属書VIII) 前駆体として維持。EUROFERは専用の影響評価がないことに反対 鉄鋼スクラップの行を削除し、使用前の鉄鋼スクラップは報告するが算入しない。アルミニウムスクラップはすべて前駆体(P10_TA(2026)0276)
使用済みスクラップ 除外 除外 アルミニウム:対象に含める(付属書VIIIの行は使用済みの例外なしで「7602」)。スクラップの含有量にかかわらず、未加工アルミニウムすべてに1つのデフォルト値(前文第14b項)。鉄鋼:前駆体の行なし

現行規則のもとで執行できる迂回防止の規定はCBAMの迂回防止規定で説明しています。上の表の措置はすべて提案中の追加で、まだ施行されていません。

スクラップの扱いは、3機関の意見が最も対立している論点です。欧州委員会と理事会は使用済みスクラップを前駆体の計算から外していますが、欧州議会の方針は使用済みを含むすべてのアルミニウムスクラップを計算に入れます。金属スクラップは2026年10月20日の三者協議の後、技術レベルの検討に回された4つの論点の1つです。スクラップの扱いの詳細はCBAMとスクラップの扱いをご覧ください。

今後の見通し:三者協議の日程と主な論点

報道によると、第1回三者協議は2026年10月20日に開かれ、全体合意に至りませんでした。第2回は2026年11月30日と報じられています。

3機関は2026年中の政治的合意を目指しています。合意できれば、2028年1月1日の適用開始目標までに法文を仕上げる時間が残ります。第1回の報道内容は第1回三者協議の記事(英語)にまとめています。

三者協議の中心となる論点は、次の4つです。

  1. 製品リストの規模:欧州委員会のリスト(プレスリリースで180製品)、理事会のより広いリスト(同じ表に202のCNコードを追加)、推計約457製品類型とされる欧州議会のはるかに広い方針を調整する必要があります。どの法案にも合計数がないため、最終的な数字をこれらの数から読み取ることはできません。
  2. スクラップの扱い:欧州委員会と理事会は、使用前の鉄鋼とアルミニウムのスクラップを前駆体とし、使用済みスクラップを除外します。EUROFERは専用の影響評価がないことを指摘しました。欧州議会の方針は、使用済みを含むすべてのアルミニウムスクラップを前駆体とし、鉄鋼スクラップの行を削除するため、使用前の鉄鋼スクラップは報告されても算入されません。
  3. デミニミス基準との関係:年間50トンの質量による現在の適用除外は、素材と半製品を前提に設計されており、業界団体は軽くて単価の高い完成品には合わないと主張しています。欧州議会の方針は、付属書VIIにアルミニウム製品の5トン基準を加える案を含み(提案)、アルミニウムのデミニミス基準は2026年10月20日の三者協議の後、技術レベルの検討に回されました。
  4. 安全弁か収入による支援か:欧州委員会は、価格の急変時に製品を一時的にCBAMの対象から外せる安全弁を提案しました。欧州議会の方針はこの除外の選択肢を退け、対象製品のCBAM収入を影響を受ける部門へ一時的に振り向ける方式を支持しているため、三者協議でどちらかを選ぶ必要があります。

川下製品への対象拡大に対する業界の反応

鉄鋼業界は対象範囲のさらなる拡大を、アルミニウム業界は抜け穴の先行是正を、肥料の買い手は緊急時の歯止めの復活を求めており、業界の反応は一様ではありません。

各機関の案が出るたびに、鉄鋼、アルミニウム、肥料、輸入業の団体が反応してきました。9月15日の本会議採決を前に、2026年7月1日から7月15日にかけて新たな声明が相次ぎ、2026年8月19日には約500の署名者による鉄鋼の連合がより広い拡大を求め、ブリュッセルへの車列行進を発表しました。日本からは、在欧日系ビジネス協議会(JBCE)が懸念を表明しています。

EUROFER:「正しい方向への一歩だが十分ではない」

欧州鉄鋼連盟(EUROFER)は、理事会の6月12日の一般的アプローチについて、事務局長Axel Eggert氏の発言として「a step in the right direction, but it will not be sufficient to prevent carbon leakage」(当サイト仮訳:正しい方向への一歩だが、カーボンリーケージを防ぐには十分ではない)と述べました。約200製品への拡大は歓迎しつつ、鉄鋼を多く使う製品の全体を構造的にカバーしていないと指摘しています。

EUROFERは、専用の影響評価なしに使用前の鉄鋼スクラップをCBAMの前駆体に含めたことにも遺憾の意を示し、スクラップ市場と循環経済への意図しない影響を警告しました。さらに、排出量の少ない鉄鋼をEUに振り向け、排出量の多い製品を他の市場に出荷し続ける「リソース・シャッフリング」のリスクが未解決だと指摘しています。

ArcelorMittal:CBAMと関税割当を電磁鋼板にも

ArcelorMittalは2026年7月1日、生産者の立場から、CBAMと関税割当(TRQ)の保護を、電動機や発電機に使われる電磁鋼板を含む川下製品に広げるよう求めました。これはCBAMの対象範囲の拡大と、同じ川下製品への関税割当の適用を組み合わせた要求です。EUROFERの反応とあわせ、鉄鋼メーカーは9月15日の本会議採決に向けて、幅広い川下製品リストを支持する姿勢を明確にしました。

鉄鋼の連合:500の署名とブリュッセルへの車列行進

2026年8月19日、EUROMETALは、40を超える各国の鉄鋼協会を含む約500の署名者が、CNコードの第73類から第95類までの川下製品へのCBAMの拡大を求めていると報じました。

連合は「downstream paradox」(当サイト仮訳:川下の逆説)と呼ぶ論理を掲げています。輸入された粗鋼には1トン当たり約50ユーロから60ユーロのCBAMコストがかかるのに、同じ鋼から作られた完成品は炭素コストなしでEUに入るというものです。連合は、分類の違いによって生じる差を1トン当たり最大300ユーロとしています。

連合は「European Convoy for Industrial Competitiveness」(産業競争力のための欧州車列行進)を組み、2026年9月7日にブリュッセルに到着する予定としました。欧州議会が交渉方針を採択した9月15日の本会議採決の前週に当たります。類の範囲、コストの数字、逆説の論理はいずれも連合の要求と推計で、EUの機関の立場ではありません。

European Aluminium:「主要な抜け穴は未解決」

欧州アルミニウム協会(European Aluminium)は2026年7月8日、7月6日のENVIの採決について、アルミニウムの主要な抜け穴が未解決のままだと述べました。中心となる懸念は使用済みスクラップで、輸入品は使用済みスクラップの含有を申告することで炭素コストを下げられ、同協会は世界のアルミニウム生産の約4分の1がこの方法でCBAMの義務を回避できると推計しています。

同協会は、現在の50トン基準はアルミニウムの重量当たりの価値に合わないとも主張し、200室のホテルの改装に使うアルミニウム製ドアの重さが約9.2トンにとどまり、相当な体化排出量があっても基準を大きく下回る例を挙げています。要求には、使用済みスクラップをCBAMの前駆体の計算に入れることと、スクラップを含む製品について単一のデフォルト値の枠組みに移ることが含まれます。

7月8日の声明は要求をさらに強めています。事務局長Paul Voss氏は、ENVIの採決が使用済みスクラップの抜け穴と質量ベースの50トン基準のどちらも是正しなかったとして、9月の本会議までに両方が解決しない場合はアルミニウムについてCBAMの本格実施期間を一時停止するよう欧州委員会に求めました。

アイルランド農業者協会:肥料の緊急セーフガードの復活

アイルランド農業者協会(IFA)は2026年7月15日、買い手の立場から、肥料の緊急セーフガードの復活を求めました。例外的な市場の混乱時に肥料のCBAMの義務を一時停止できる条項で、ENVI委員会が方針から削除したものです。IFAは9月の本会議での復活を求めましたが、2026年9月15日に採択された交渉方針は除外型のセーフガードを退け、影響を受ける部門へのCBAM収入の一時的な振り向けを支持しました。

BGA:対象拡大の「Stop the Clock」を要求

ドイツ卸売・貿易・サービス連盟(BGA)は2026年4月30日の声明で、反対の立場から川下製品への対象拡大そのものの「Stop the Clock」(当サイト仮訳:時計を止めること、つまり延期)を求めました。BGAは、CBAMが管理負担の急増を伴う、ますます複雑な貿易上の手段になりつつあり、その負担はグローバルなサプライチェーンに依存する中堅・中小の輸入者に最も重くのしかかると警告しています。

JBCE:対象範囲の見直しと制度の簡素化

JETROの2026年9月18日の記事によると、在欧日系ビジネス協議会(JBCE)は、複雑なサプライチェーンを通じて実排出量のデータを把握し検証することが難しく、企業への負担が過大になるとして懸念を示し、対象範囲の見直しと制度の簡素化を求めています。

日本の輸出者とEUの輸入者は今から何を準備すべきですか

時間がかかるのは法文の確定ではなく排出量データを集める体制づくりなので、製品リストが確定する前から準備を始めることをお勧めします。

次の6つの手順は、3つの品目数のシナリオのどれが最終的に採用されても役立ちます。

  1. 自社の製品を3つのリストすべてと照合してください。 欧州議会のリストだけに載っている製品も、交渉の過程でリストが大きく動く可能性があるため、リスクとして無視できません。CNコードの比較にはCBAMの川下製品リスト(英語)が使えます。
  2. 次の節目として三者協議の日程を追ってください。 欧州議会は2026年9月15日に交渉方針を採択したため、決め手となるのは3機関が2026年中を目指す三者協議の合意です。
  3. サプライチェーンのスクラップの含有を確認してください。 スクラップの扱いは最も決着から遠い論点の1つなので、使用前と使用済みのスクラップを各案がどう扱うかを把握しておくことが必要です。
  4. 供給者からデータを集める仕組みを今から作ってください。 現在の対象部門でも、事業者の排出量報告書のサマリーは16項目で(実施規則(EU)2025/2547付属書IV第1.2項)、2026年8月14日のガイダンス第3号による3文書の構成で英語により提供します。この仕組みは、川下製品が対象になった場合にもそのまま応用できます。提供の方法はCBAM登録簿内の事業者用ポータル(O3CI)と輸出者のデータ要件で説明しています。
  5. すでに対象の川下寄り製品で経験を積んでください。 ボルト・ねじ(7318)や鉄鋼製品(7326)の輸出者が実排出量のデータを提供する場合、前駆体の排出量を製品に引き継ぐ算定がすでに必要です。経済産業省のねじ・ボルト等のガイドラインとJETROの算定実務マニュアル(2026年3月)は、自動車部品などの複雑な製品にも応用できる手順を示しています。
  6. 採決だけでなく三者協議の中身を見てください。 一般的アプローチや委員会の方針は交渉の権限で、法律ではありません。製品リストとスクラップの扱いは、最終的な法文が採択されるまで変わる可能性があります。

対応の選択肢の全体像はCBAM 輸出者の戦略、日本の状況はCBAMと日本にまとめています。川下製品への対象拡大は、各国が独自の国境炭素調整を整える大きな流れの一部でもあり、各国の動きは世界のCBAMで追っています。算定や検証の支援事業者の紹介はCBAMの相談窓口から無料で依頼できます。

川下製品への対象拡大に関するよくある質問

CBAMの川下製品への対象拡大はすでに法律になっていますか

なっていません。2026年11月4日時点で、川下製品への対象拡大は審議中の立法提案(手続番号2025/0419(COD))です。3機関の立場(欧州委員会の提案、理事会の一般的アプローチ、欧州議会の第一読会の交渉方針)は出そろいましたが、三者協議で合意した最終法文はありません。2026年1月1日から施行されている規則(EU)2023/956(規則(EU)2025/2083による改正後)は、まだ川下製品を対象にしていません。

CBAMの川下製品への対象拡大では何品目が対象になりますか

品目数は決まっておらず、どの法案の本文にも合計数は書かれていません。欧州委員会のプレスリリースは180製品とし、提案の付属書には107項目の表と新しい鉄鋼の7項目があります。理事会の一般的アプローチはその表を維持し、8桁のCNコード202件を追加して3項目を削除しており、当サイトの集計で合計300件をやや超えます。理事会について報じられる「約200」は追加分のコードに当たります。

2026年9月15日の欧州議会の交渉方針については、法律事務所Mayer Brownが2026年10月7日の解説の本文で457製品類型、表で約453としています。最終的な数は、3機関が2026年中の決着を目指す三者協議の結果で決まります。

CBAMの川下製品への対象拡大はいつから始まりますか

3機関の案はいずれも2028年1月1日を適用開始日としています。製品リストは案ごとに大きく変わりましたが、この日付は欧州委員会の当初提案、理事会の一般的アプローチ、欧州議会の交渉方針のいずれでも変わっていません。

欧州委員会、理事会、欧州議会の案はどう違いますか

3つの案の主な違いは、対象範囲と執行の強さです。欧州委員会のCOM(2025)989(約180製品)が交渉の出発点となる文案です。理事会の一般的アプローチ(2026年6月12日採択)は欧州委員会の表を維持し、報じられる「約200」の由来である8桁のCNコード202件を追加し、医療機器の3項目を削除しています。

欧州議会の第一読会の交渉方針(2026年9月15日、賛成464、反対50、棄権159で採択)は、欧州委員会の対象範囲に機械、輸送機器の部品、変圧器、温水器などを加えたと報じられ、迂回防止を強め、価格の急変に対する安全弁を影響を受ける部門への一時的な収入支援に置き換えています。いずれも単独では拘束力がなく、三者協議を通じてのみ一本化されます。

使用済みスクラップは川下製品への対象拡大で対象になりますか

三者協議の結果次第です。欧州委員会の提案と理事会の一般的アプローチは、使用前スクラップを前駆体とし、使用済みスクラップを除外しています。2026年9月15日の欧州議会の交渉方針は、使用済みを含むすべてのアルミニウムスクラップを前駆体とし、スクラップの含有量にかかわらず未加工アルミニウムすべてに1つのデフォルト値を設け、鉄鋼スクラップの行を削除しています。

金属スクラップは2026年10月20日の三者協議の後、技術レベルの検討に回されました。欧州アルミニウム協会は、世界のアルミニウム生産の約4分の1が使用済みスクラップの含有を申告することでCBAMの義務を回避できると主張しています。

川下製品への対象拡大は日本の自動車部品の輸出に影響しますか

採択されれば影響します。JETROは2026年9月18日、電力中央研究所の分析として、追加対象の品目がEUの対日輸入額の5.0%を占め、現在のCBAM対象品目の2.9%を上回ると紹介し、特に影響が懸念される品目として自動車用変速機とその部品を挙げています。自動車用の変速機(CNコード 8708 40)は、欧州委員会の提案と理事会の一般的アプローチの両方に含まれています。義務を負うのはEUの輸入者で、日本の輸出者には体化排出量のデータ提供が求められることになります。


データ出典:規則 (EU) 2023/956 · 規則 (EU) 2025/2083(オムニバス)· 実施規則 2025/2621 · EEX経由のEU ETSデータ。法的助言ではありません。