CBAMのアルミニウムCNコード一覧:第76類の対象14項目と日本産のデフォルト値

CBAMのアルミニウムは第76類の14項目が対象で、くず(7602)と家庭用品(7615)は対象外です。

このページの内容
図:第76類のアルミニウム製品とCNコード。アルミ塊(7601)、粉、棒・形材、線、板、はく、管、構造物、タンク、缶、ガスボンベ、ケーブル、その他の製品(7616)はCBAMの対象で、くず(7602)と家庭用品(7615)は対象外です。

EU炭素国境調整措置(CBAM、JETROや欧州委員会の和訳では「炭素国境調整メカニズム」)のアルミニウムのCNコードは、第76類の14項目です。2026年1月1日に始まった本格実施期間では、この14項目に当たる製品をEUに輸入すると、CBAM証書の購入と納付の義務が生じます。第76類のうち、アルミニウムのくず(7602)と食卓用品・台所用品・家庭用品(7615)の2項目は対象外です。

根拠となる法令は「炭素国境調整メカニズム(CBAM)を規定する、2023年5月10日の欧州議会および理事会規則(EU)2023/956」の付属書Iで、規則(EU)2025/2083(CBAM簡素化規則)により改正されています。CBAMは、規則(EU)2023/956に基づき、EUの輸入者に対し、輸入品の体化排出量に応じたCBAM証書の購入と納付を求める、EU ETSの価格に連動した証書制度です。

EUが2025年に日本から輸入したCBAM対象のアルミニウム製品(付属書Iのコード)は1億9,497万ユーロ、4万2,260トンで、そのうちアルミ板(CNコード 7606)が1億1,364万ユーロ、約58%を占めます(ユーロスタット(Eurostat)Comext DS-045409、2025年(2026年10月12日抽出))。本ページでは、対象と対象外のCNコード、日本の統計品目番号との違い、算定対象となる排出量、日本産の項目別のデフォルト値とコストを順に説明します。

キャプション:第76類でCBAMの対象となる14項目は、アルミ塊(未加工のアルミニウム)から、はく、管、構造物、容器まで広がります。


CBAMにおけるアルミニウムのCNコードとは

CBAMにおけるアルミニウムのCNコードとは、規則(EU)2023/956付属書Iに掲げられ、EUに輸入するとCBAM証書の義務が生じるアルミニウム製品の関税分類コードです。

対象の14項目はすべて第76類(アルミニウムおよびその製品)に属します。付属書Iに記載がないのは、7602(アルミニウムのくず)と7615(食卓用品、台所用品、家庭用品)の2項目です。CNコード(EUの関税分類コード)は8桁で、付属書Iは4桁の項(7601など)または8桁のコード(7609 00 00など)で対象を定めています。

この区別が重要なのは、50トン基準が輸入者ごと、暦年ごとに、すべてのCNコードとすべての原産国のCBAM対象製品の正味重量を合計して判定されるためです(第2a条、付属書VII第1項)。対象のアルミニウム製品は、鉄鋼、セメント、肥料の輸入と合算して数えます。

電力と水素を除き、輸入者ごとに暦年の累積正味重量が50トン以下であれば義務が免除されます(第2a条、付属書VII第1項)。免除は税関申告で申告する必要があります。日本からの出荷が少量でも、EUの輸入者が他の供給者からの輸入と合わせて50トンを超えれば、その出荷も義務の対象になります。

証書の仕組み全体(認可、申告、納付の流れ)は、EU炭素国境調整措置(CBAM)の全体像で説明しています。


第76類のCBAM対象CNコード一覧:対象14項目と対象外2項目

第76類の16項のうち14項目がCBAMの対象で、7602と7615の2項目が対象外です。

対象と対象外の項と、日本からEUへの2025年の輸入実績を次の表にまとめます(Eurostat Comext、2025年)。EUの輸入者は出荷ごとに8桁のCNコードで分類し、実施規則(EU)2025/2547に定める方法で体化排出量を算定します。品名の日本語は当サイトによる要約です。

CNコード 品名 CBAMの扱い 注記 日本からの輸入(2025年、金額/数量)
7601 アルミニウムの塊(未加工のアルミニウム) 対象 7601 10(合金にしてないもの)、7601 20(合金)。2025年にEUが輸入したCBAM対象のアルミニウム914万トンのうち633万トン 214万ユーロ/121.5トン
7602 アルミニウムのくず 対象外 付属書Iに記載なし。くずはCBAM製品ではありません 対象外
7603 アルミニウムの粉およびフレーク 対象 アトマイズ粉とりん片状の粉を含みます 74万ユーロ/9.7トン
7604 アルミニウムの棒および形材 対象 押出しと引抜きの製品 1,025万ユーロ/1,492トン
7605 アルミニウムの線 対象 径を問わず、裸線もコーティングした線も含みます(電気絶縁をしたものを除きます) 423万ユーロ/858トン
7606 アルミニウムの板、シート、ストリップ(厚さ0.2mm超) 対象 はくの厚さを超える圧延製品 1億1,364万ユーロ/3万4,692トン
7607 アルミニウムのはく(厚さ0.2mm以下) 対象 包装用と工業用、裏打ちの有無を問いません 3,012万ユーロ/3,624トン
7608 アルミニウム製の管 対象 継目無と溶接、すべての合金 88万ユーロ/34.8トン
7609 00 00 アルミニウム製の管用継手 対象 カップリング、エルボ、スリーブ 115万ユーロ/35.6トン
7610 アルミニウム製の構造物およびその部分 対象 橋、塔、戸、窓。第94.06項のプレハブ建築物は除きます 275万ユーロ/216トン
7611 00 00 アルミニウム製の貯蔵タンク、たる、バットなど(容量300L超) 対象 圧縮ガス用と液化ガス用を除きます 1万1,729ユーロ/0.4トン
7612 アルミニウム製のたる、ドラム、缶、箱など(容量300L以下) 対象 硬質または折り畳み式のチューブ容器を含みます 759万ユーロ/464トン
7613 00 00 アルミニウム製の圧縮ガス用または液化ガス用の容器 対象 ガスボンベ 3万5,903ユーロ/1.1トン
7614 アルミニウム製のより線、ケーブル、組ひもなど 対象 電気絶縁をしてないもの 2万802ユーロ/0.9トン
7615 食卓用品、台所用品、家庭用品 対象外 付属書Iに記載なし 対象外
7616 その他のアルミニウム製品 対象 残余の項で、その下のすべてのコードが対象 2,141万ユーロ/711トン

14項目の合計は1億9,497万ユーロ、4万2,260トンで、2023年は2億1,918万ユーロ(3万560トン)、2024年は1億2,705万ユーロ(1万8,842トン)でした。金額ベースで見ると、日本はアルミ板(7606)で第10位(EU域外輸入の2.89%)、アルミはく(7607)で第10位(2.30%)、容器(7612)で第8位(1.38%)、管用継手(7609)で第10位(0.63%)の供給国です(Eurostat Comext、2025年)。

8桁のレベルでは、見落としやすいコードがあります。アルミニウム複合板(ACP)は7606 11 30、7606 12 30、7607 20 91として個別のコードを持ち、飲料缶のボディ材とエンド材・タブ材は7606 12 11と7606 12 19です(実施規則(EU)2025/2620付属書第5.3項のベンチマーク表)。いずれも第76類の対象項に含まれるため、CBAMの対象です。

14項目に適用される排出係数、デフォルト値、原産国別の影響の全体は、CBAMのアルミニウム部門ガイドで説明しています。

日本の統計品目番号(9桁)とEUのCNコード(8桁)はどう違いますか

日本の輸出統計品目番号とEUのCNコードで共通なのは先頭6桁(HSコード)だけで、7桁目以降は別の体系です。

日本の輸出申告で使う統計品目番号は9桁、EUのCNコードは8桁、EUの輸入申告で使うTARICコードは10桁です。CBAMの対象は付属書IのCNコードで決まり、判定に使うのはEUの輸入申告に記載されるコードです。日本の番号の7桁目から9桁目をそのままCNコードの7桁目と8桁目として扱うことはできません。

第76類では、項(4桁)単位で付属書Iに載っている項目が多いため、4桁が一致すれば対象かどうかはほぼ判断できます。ただし、日本産のデフォルト値は7604と7616で8桁ごとに異なるため、輸出者はEUの買い手が申告するCNコードを書面で確認し、排出量データをそのコードに合わせて提供するのが確実です。


第76類で算定する排出量:直接排出量のみ(PFCを含む)

第76類のすべての製品について、CBAMの算定対象となるのは直接排出量だけです。

アルミニウムは規則(EU)2023/956付属書IIに掲げられており、付属書IIの製品では電力消費による間接排出量は算定に含まれません(第7条第1項)。製錬に使う系統電力の排出量がどれほど大きくても、CBAMの算定対象となるのは、炭素アノードの消費によるCO2とパーフルオロカーボン(PFC)を含む直接排出量です。

アルミニウムでは、CO2以外に2つの温室効果ガスが算入されます。四フッ化炭素(CF4、地球温暖化係数(GWP)6,630)と六フッ化エタン(C2F6、GWP 11,100)です。いずれも、ホール・エルー法の電解で電解浴のアルミナ(Al2O3)濃度が運転の閾値を下回ったときに起きる「アノード効果」で発生し、EUの輸入者は体化排出量の算定にPFCの排出量を含める必要があります(アルミニウムのPFC)。

直接排出量だけでも、デフォルト値を使えばコストは大きくなります。中国産のアルミ塊(CNコード 7601)のデフォルト値は製品1トン当たり3.000 tCO2e(CO2換算トン)で、2026年は10%のマークアップを加えて3.300です。無償割当調整はCBAM係数97.5% × 一次アルミニウムのベンチマーク1.423 = 1.387425で、差し引き製品1トン当たり1.912575枚のCBAM証書が必要です。2026年第3四半期の公式価格(1 CO2換算トン当たり82.32ユーロ、2026年10月5日公表)で製品1トン当たり157.44ユーロになります。

2030年の輸入では、マークアップ30%、CBAM係数51.5%となり、同じデフォルト値と価格で製品1トン当たり260.72ユーロです。ベンチマークは2027年からの輸入品について更新される可能性があるため(実施規則(EU)2025/2620前文第10項)、この数値は目安です。加工品のデフォルト値はさらに高く、中国産の板・シート(7606)は製品1トン当たり4.120 tCO2e、はく(7607)は5.559 tCO2eです。

年間の輸入量が50トン基準以下の輸入者は、その年の義務が免除されます。第76類の複数のコードを合わせると基準に近づく輸入者向けに、合算の考え方をCBAMの50トン基準(英語)で説明しています。

キャプション:ホール・エルー法の製錬所でアノード効果により発生するPFCは、炭素アノードの消費による直接のCO2とともに、CBAMの体化排出量に含まれます。


日本産の第76類製品のデフォルト値とコスト:項目別一覧

日本の付属書Iの表では、アルミニウムの24行すべてが二次ルート(L)で記載されており、日本産の第76類製品はデフォルト値で申告する限り、すべて二次アルミニウムのベンチマークで評価されます。

デフォルト値で輸入する場合、ベンチマークは国の表に記載されたルートで決まり、輸入者も輸出者も選べません(実施規則(EU)2025/2620付属書第5.1項)。日本のアルミ塊のデフォルト値0.360は付属書Iで最も低い値(日本を含む37の国・地域の表で同じ値)ですが、差し引く二次ルートのベンチマークも小さいため、加工品では証書の必要数が大きくなります。

日本産の14項目について、デフォルト値で輸入した場合の製品1トン当たりのコストを次の表に示します。2026年第3四半期の価格82.32ユーロで計算し、2030年も同じ価格としています。計算は2026年11月4日に当サイトの計算ツールで行いました。

CNコード(日本の値が同じ8桁の範囲) 日本のデフォルト値(tCO2e/t) ベンチマーク(Column B、ルートL) 2026年の証書数(製品1トン当たり) 2026年のコスト(製品1トン当たり) 2030年のコスト(製品1トン当たり)
7601(5つのコードすべて) 0.360 0.091 0.307275 25.29ユーロ 34.67ユーロ
7603 1.050 0.140 1.0185 83.84ユーロ 106.43ユーロ
7604 棒(7604 10 10、7604 29 10) 1.280 0.148 1.2637 104.03ユーロ 130.71ユーロ
7604 形材(7604 10 90、7604 21 00、7604 29 90) 1.290 0.152 1.2708 104.61ユーロ 131.61ユーロ
7605 1.280 0.148 1.2637 104.03ユーロ 130.71ユーロ
7606 1.730 0.148 1.7587 144.78ユーロ 178.86ユーロ
7607 1.730 0.258 1.65145 135.95ユーロ 174.20ユーロ
7608 1.290 0.152 1.2708 104.61ユーロ 131.61ユーロ
7609 00 00 1.290 0.152 1.2708 104.61ユーロ 131.61ユーロ
7610 1.290 0.152 1.2708 104.61ユーロ 131.61ユーロ
7611 00 00 1.730 0.258 1.65145 135.95ユーロ 174.20ユーロ
7612 1.730 0.258 1.65145 135.95ユーロ 174.20ユーロ
7613 00 00 1.730 0.258 1.65145 135.95ユーロ 174.20ユーロ
7614 1.280 0.148 1.2637 104.03ユーロ 130.71ユーロ
7616(7616 10 00、7616 91 00、7616 99 90) 1.730 0.148 1.7587 144.78ユーロ 178.86ユーロ
7616 99 10(鋳造品) 1.050 0.140 1.0185 83.84ユーロ 106.43ユーロ

デフォルト値:実施規則(EU)2025/2621付属書I(実施規則(EU)2026/1740により差し替え)の日本の表の「総排出量」。ベンチマーク:実施規則(EU)2025/2620付属書第5.3項。2026年はマークアップ10%、CBAM係数97.5%、2030年はマークアップ30%、CBAM係数51.5%で、部門横断補正係数はいずれも100%です(実施決定(EU)2026/1862)。ベンチマークは2027年からの輸入品について更新される可能性があるため、2030年の数値は目安です。

日本の輸出額が最も大きいアルミ板(CNコード 7606 12 99)では、2026年の証書数は1.903(1.730 × 1.10)から0.1443(0.975 × 1.00 × 0.148)を差し引いた製品1トン当たり1.7587枚、コストは144.78ユーロです。同じ条件で、デフォルト値の高いUAE(2.660、ルートK)は121.68ユーロ、トルコ(2.714)は126.57ユーロ、米国(2.730)は128.02ユーロで、日本を下回ります。一次ルート(K)の国は、ベンチマーク1.485を差し引けるためです。

この差はCBAM係数が下がるにつれて縮み、逆転します。82.32ユーロ一定で、日本のアルミ板は2028年に174.17ユーロとUAEの174.64ユーロにほぼ並び、2030年には178.86ユーロでUAEの221.71ユーロ、トルコの227.49ユーロを下回ります。ベンチマークは2027年からの輸入品について更新される可能性があるため、2028年と2030年の数値は目安です。中国(4.120)は2026年に253.89ユーロです。

7616の中では、鋳造品(7616 99 10)だけがデフォルト値1.050で、他の7616のコード(1.730)より低くなります。ダイカスト部品などを輸出する場合は、EUの買い手が7616 99 10と7616 99 90のどちらで申告するかで、2026年のコストが製品1トン当たり83.84ユーロと144.78ユーロに分かれます。貴社の製品とトン数での推計はCBAM計算ツールで確認できます。規則(EU)2025/2621および2025/2620の公式デフォルト値とベンチマークに基づく推計です。拘束力のある数値は貴社のCBAM申告書に記載される数値です。


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第76類のデフォルト値は実務でどう適用されますか

第76類の製品のデフォルト値は、実施規則(EU)2025/2621付属書I(実施規則(EU)2026/1740により差し替え)で国ごと、コードごとに定められています。

付属書Iはマークアップ前の総排出量を記載し、マークアップはその上に加えます。マークアップは2026年10%、2027年20%、2028年以降30%です。検証済みの実排出量ではなくデフォルト値に頼る輸入者の負担は、年を追うごとに重くなります。

第76類のCNコードについて輸入者からよく寄せられる実務上の質問は、次の4つです。

  • 7601の号ごとにデフォルト値は異なりますか。 異なりません。7601は7601 10(合金にしてないもの)と7601 20(合金)に分かれますが、付属書Iは国ごとに項全体で一つのデフォルト値を記載しています。中国は3.000、日本は0.360です。その下の5つのCNコードのベンチマークは、すべて1.423(一次)または0.091(二次)です。
  • 7616は残りのアルミニウム製品をすべて含みますか。 7616は、より具体的な項(7603から7614)に当たらない製品の受け皿となる残余の項で、鋳造品、鍛造品、機械加工部品がよく分類されます。付属書Iは項全体を掲げているため、7616の下の8桁のコードはすべて対象で、デフォルト値は8桁のコードごとに記載されています。
  • アルミクラッド材は7606で全面的に対象ですか。 7606は厚さ0.2mmを超える板、シート、ストリップを、表面処理やクラッドの有無を問わず対象とします。ただし、母材がアルミニウムである場合に限ります。鋼の母材にアルミニウムを薄くクラッドした製品は、別の分類が必要になることがあります。
  • 管用継手(7609)は管とは別に申告しますか。 7609は付属書Iに独立して掲げられているため、管とは別に体化排出量を算定します。継手の製造に使ったアルミニウムの体化排出量は、実施規則(EU)2025/2547の前駆体の規則に従って算入されます。

二次アルミニウム(リサイクルスクラップ)はCBAMの対象ですか

対象です。二次アルミニウムは一次地金と同じCNコードのCBAM製品ですが、スクラップの投入分は体化排出量ゼロとして扱われます。アルミニウムのくず(7602)は付属書Iに記載がないため前駆体にならず、それを原料とする金属に体化排出量は引き継がれません。再溶解で施設から出る直接排出量は申告します。

7604、7605、7606、7607、7616の製品をスクラップから作る輸出者は、デフォルト値を大きく下回る検証済みの実排出量を示すことで、CBAMの負担をゼロ近くまで下げられます。その利点は、マークアップが2027年に20%、2028年から30%に上がるにつれて大きくなります。デフォルト値では生産ルートが国の表で決まり、中国やトルコのようなルートKの国は、スクラップの比率にかかわらず、すべてのアルミニウムの行で一次ルートのデフォルト値になります。

日本はその逆で、一次地金を使う工場の製品もルートLのデフォルト値とベンチマークで評価されます。実排出量で申告する場合、差し引く量はColumn Aのプロセスベンチマークに、前駆体に含まれる無償割当を加えたものになります。スクラップの扱いをめぐる論点はCBAMのスクラップの抜け穴で説明しています。

CBAMの第76類のリストは今後変わりますか

現在の付属書Iのリストは、規則(EU)2023/956と規則(EU)2025/2083(CBAM簡素化規則)で定められています。CBAMの対象を川下の製造品に広げる欧州委員会提案(COM(2025)989、法律ではありません)は、2028年1月1日からの適用を予定し、通常立法手続で審議されています。

理事会は2026年6月12日に一般的アプローチを採択し、欧州委員会の当初案の約180品目に、鉄鋼とアルミニウムを含む製品の8桁のコード約200を加えました(追加コード数はMayer Brownの報告)。欧州議会の環境委員会(ENVI)は2026年7月6日、より広い独自の立場を採択し(賛成56、反対11、棄権12)、対象を約457品目(推計)に広げ、迂回防止の規則も強めました。

欧州議会は2026年9月15日、第1読会の交渉権限を賛成464、反対50、棄権159で採択しました。2026年10月20日の第1回三者協議(トリローグ)は全体合意に至らず(報道による)、アルミニウムの50トン基準と金属スクラップを含む4つの論点が技術協議に回され、第2回は2026年11月30日と報じられています。2026年11月4日時点で、対象拡大は提案のままで、適用開始の予定日は2028年1月1日です。

この提案が対象とするのは、CBAM対象の素材を含む完成品で、自動車部品、機械、建設製品に使われるアルミニウム部品などです。第76類の項を対象から外す案はなく、拡大の対象は川下の第84類、第85類、第87類、第94類です。JETROは2026年9月18日、電力中央研究所の分析として、提案された川下製品のコードが日本の対EU輸出の5.0%を占め、現在のCBAM対象製品の2.9%を上回ると紹介しています(川下製品への対象拡大)。

ノルウェーとアイスランドのアルミニウムはCBAMの対象外ですか

ノルウェーとアイスランドを原産とするアルミニウムは、CBAMの義務から完全に除外されています。両国の製品は規則(EU)2023/956付属書III第1項に掲げられているためです(第2条第4項)。両国は欧州経済領域(EEA)の加盟国で、EU排出量取引制度(EU ETS)に参加しています。ノルウェーのNorsk Hydroを含む両国の生産者は、個々の施設の炭素強度にかかわらず、この除外を受けます。

EUが2025年にノルウェーから輸入したCBAM対象のアルミニウム製品は44億7,000万ユーロ、155万トンで、EU域外からの輸入の数量ベースで16.9%と、原産国の中で最大でした(ユーロスタット(Eurostat)Comext DS-045409、2025年(2026年10月12日抽出))。この除外は、中国、トルコ、UAE、バーレーンなど対象国の競合に対する大きな利点です。

スイスも付属書III第1項に掲げられ、その排出量取引制度はEU ETSとリンクしています。中国、トルコ、UAE、バーレーン、日本の製品は全面的に対象です。2026年11月4日時点で、第9条の控除が認められた国の炭素価格は一つもありません。

第76類の製品で、日本の炭素価格はCBAMから控除されますか

2026年11月4日時点で、日本の炭素価格はEU CBAMの第9条で認められておらず、控除の実施規則も案の段階です。

第三国で支払われた炭素価格の控除(第9条)に関する実施規則案は2026年5月13日に公表され、意見募集は2026年6月10日に締め切られましたが、2026年11月4日時点で未採択です。控除の対象は実際に支払われた炭素価格に限られ、リベートなどの補償は差し引かれます(第9条第1項)。アルミニウムでは電力の間接排出量を申告しないため、電力料金に含まれる炭素コストは控除の根拠になりません。

日本の排出量取引制度(GX-ETS)は、直接排出量が前3年度平均で10万トン以上の事業者に2026年度(2026年4月から2027年3月)から義務づけられました。ただし割当は無償で、ベンチマーク方式の列挙部門(鉄鋼、セメント、電力、製紙、石油精製)以外はグランドファザリングで割り当てられます(ICAP)。欧州委員会の日本語ガイダンスは「排出量取引制度の場合、無償割当はリベートとみなされる」と説明しています。

英国は2026年8月27日、GX-ETSを英国CBAMの適格炭素価格制度(QCPS)の暫定リストに載せましたが、EU CBAMの扱いとは別です。英国CBAMは独立した税制度で、2027年1月1日からアルミニウムを含む5部門に課税します。詳しくはCBAMの炭素価格控除をご覧ください。

CBAMのアルミニウムのCNコードを調べるツールはありますか

CBAMのCNコード検索ツールでは、4桁の項または8桁のコードで検索し、製品が付属書Iの対象かどうか、適用されるデフォルト値、付属書IIの製品(直接排出量のみ)か付属書II以外の製品(直接排出量と間接排出量)かを確認できます。第76類では、対象の項はすべて付属書IIの製品と表示され、直接排出量だけが算定対象であることがわかります。

複数の供給国から第76類の製品を輸入する場合、認定検証機関が施設の排出量報告書を検証すれば、供給者ごとの実排出量で申告できます。国家認定機関の登録簿で確認できる認定は、2026年10月13日時点で5件、認定した国家認定機関は3つ(ギリシャのESYD、イタリアのAccredia、スウェーデンのSwedac)で、日本の法人は含まれません。2026年10月23日時点で、欧州委員会の認定検証機関リストは未公表です。

認定範囲がアルミ塊(活動グループVII)とアルミニウム製品(活動グループVIII)の両方を含むとは限りません。たとえばSGS ICS Italia S.r.l.(イタリアの国家認定機関Accrediaが認定)の認定範囲には、アルミ塊が含まれません。範囲はCBAM認定検証機関で確認してください。検証済みのデータを申告しない場合はCBAMのデフォルト値が適用され、2026年は公表値に10%のマークアップが加わります。

アルミニウムの調達網を持つEUの輸入者は、第76類の輸入全体を認可の状況と合わせて見直す必要があります。認可申請の期限(2026年3月31日)はすでに過ぎています。期限までに申請した輸入者は、管轄当局が決定するまで暫定的に輸入を続けられます(第17条第7a項)。それ以降に申請する輸入者は、50トン基準を超えて輸入する前に認可が必要です。

2027年から、認可申告者は各四半期末に、その暦年の初めから輸入した製品の体化排出量の50%以上に相当するCBAM証書を口座に保有する必要があります(第22条第2項)。算定には第31条の無償割当調整が考慮されます。2026年分のCBAM申告書の提出とCBAM証書の納付の期限は、2027年9月30日です(規則(EU)2023/956第6条第1項、第22条第1項)。輸入者向けの詳細は輸入者向けCBAMアルミニウムガイド(英語)にあります。

日本のアルミニウム輸出者にCBAMの法的義務はなく、義務を負うのはEUの輸入者またはその間接的通関代理人です。輸出者は、CBAM登録簿内の事業者用ポータル(O3CI)に登録して検証済みのデータを提供できます。第9条の扱いを含む輸出者から見たコストと対応策は、日本のアルミニウム輸出とEU CBAMで説明しています。

CBAMについて日本で相談できる窓口はありますか

経済産業省は「炭素国境調整措置」のページ(2026年6月1日更新)で概要と関連資料を公開し、JETROは貿易投資相談の窓口、算定実務マニュアル(2026年3月)、セミナーを提供しています。2026年11月4日時点で、日本の輸出者向けのCBAM専用の補助金は確認できません。日本の状況はCBAMと日本で解説しています。支援事業者の紹介はCBAMの相談窓口(無料)から依頼できます。


データ出典:規則 (EU) 2023/956 · 規則 (EU) 2025/2083(オムニバス)· 実施規則 2025/2621 · EEX経由のEU ETSデータ。法的助言ではありません。